クライオニクス・マガジン(第13号 2000/5)
日本初、そしてもちろん唯一のクライオニクス
(人体冷凍保存)についての雑誌です。
今月は最近cryonetで盛り上がっている、”Cryonics Community”
とその関連についての報告です。
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“Cryonics Community” Proposed by Dave Pizer
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クライオニクスの世界では老舗の団体のひとつ”The Venturist”の創立者
Dave Pizerが「クライオニクス・コミュニティ」のプランを発表しました。
Phoenix/Scottsdaleの北に車で1時間のところに40エーカーの土地を買い、
cryonicistのためのコミュニティを作るのだそうです。
牧場や小さな町が周辺にあり、75000人が住むPrescott and PrescottValley
までは25分の距離で、4000feetの高台にありそんなに暑くないそうです。
(1エーカーは40アール、すなわち400m四方の土地ですね。けっこう広い)
小さな小川があり多くの植物が生息、うさぎやきつねなど多くの動物鳥がいます。
地震など災害のない安全な地域ですが、大きな病院はPhoenixに行かないとない
のだそうです。この小川にそってキャビンなどリゾート施設を作るのだそうです。
クライオニキストが買ったり借りたりできるように。
施設としてのホスピス、あるいは在宅ホスピスサービスも提供し、
コミュニティ集会用ビルでは温泉がありエクササイズができるようにし、リゾート
施設としても使い、リゾートからの収益をcryonics communityの運営に当てたい
とのこと。コンピュータやライターという専門家を得て、cryonicsや
life-extension出版事業やTVトークショーもやりたいそうです。
次の課題は資金集めで、今年の終りまでに完了することを計画しています。
それまで計画はFIXしませんが、現時点では建設は3段階に分かれて行なわれる
予定です。
ステージ1
18か月以内、10の小さなキャビンと1つの管理ビルディング、
ログハウスのタイプで、上下水道のコストなど不明であるが、
50万ドルから80万ドルくらいでできると思う。お金は
12か月以内、もしくはもっと前に集めたい。
ステージ2
3年以内、キャビンも増えるだろうが、どのようになるかまだ
わからない。レストランなどが加わるだろう。
ステージ3
5年以内、温泉やエクササイズ施設、TVトークショーや出版などが
できるだろう。カンファレンスもできる施設が整うだろう。
(最終的に、キャビンは30くらいか)
この”Cryonics Community”には日本からも積極的に意見を出して、
かかわっていきたいと思います。
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移住か? 死ぬ為に直前に行くか?
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“Cryonics Community”に米国人以外のひとがどうやったら参加
できるか、という問いかけが発端となって、米国人以外がどうやって
低温保存のサービスを受けるのかという議論に発展しました。
ある人からは、イミグレーション・ファウンデーヨンを設立し、移住
について詳細に検討しようという案も出てきました。
その議論の中でオーストラリア在住のThomas Donaldsonさんの投稿が
興味深いものでした。彼が言うには、事故等の突然死を別にすれば、
死は徐々にやってくるもので、半年前くらいからわかるわけであり、
もし事前に準備がなされていれば、市民権なしに米国にわたって
サービスを受けることはできるだろうとのことです。
まず既存のクライオニクスコミュニティにはいったうえで、
動けなくなったとき誰に助けてもらうかのプランを含めて、
何か起こったときのプランを作ればよい、とのこと。
移住するのは難しいが、死ぬために米国に来ることをさまたげる
法律は何もないのだそうです。
米国ではクライオニクスに協力的な医者を見つけるのはたやすく、
実際、オーストラリアから一人もう行って死を待っている人が
一人いるそうです。これは私たち日本人にとってもありがたい
情報です。Cryonetで議論を深め、また報告したいと思います。
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